アフターコロナ②マスクがない豊かな表情と審美的な...｜ブログ・お知らせ

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　今回はマスクがない豊かな表情と審美的な口元について、特に日本人、黄色人種モンゴロイド固有の美しさなどを交えて、笑顔を作るための審美的な口元の改善を考えます。

　それについては少し「黄金比」や「白銀比」などについても触れてみます。まず「黄金比（Golden Ratio）」にですが、これは私たちが見て美しいと感じる共通の比率です。「一定の比率で表せる形を持っていること」というものです。

　こうした比率を持つことにより、人間の目には、その対象が「美しさ」や「安定感」「心地よさ」などを持って映ると言われています。この法則は、私たちの身の回りにある多くの商品やApple社など有名なロゴマークなどのデザインにも取り入れられています。

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　具体的に数字で表すと、1：（1+√5）/2で、近似値は1：1.618です。西洋の美の基準は1:1.618の黄金比です。この1: 1.618の比率がたくさん顔のパーツの配置にあるほ ど、美人であるといわれています。

　古代エジプトのピラミッドやギリシャのパルテノン神殿、ミロのヴィーナスや モナリザの絵画にも、黄金比が使用されているといわれています。
　タテヨコ比が1: 1618となっている名刺のサイズ（やA4などその他の紙のサイズ）も、黄金比の近似値です。この比率で表せるものに対しては、ほとんどの人間が安らぎや美的感覚を呼び起こされるようになっています。

　正面からの笑顔の黄金比はどうでしょうか。

　早稲田大学 宮崎 正己先生は魅力的な印象を与える笑顔について、

「頬が持ち上がり眼裂下部が圧縮され水平となり、眼裂に占める黒目の割合が高くなります。 このとき、外眼角と外眼角を結ぶ線分と口角の水平位置への垂線に黄金比(1.618)の近似値となる」

としています。*1

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　コニカミノルタテクノロジーセンター(株) デザインセンターと信州大学*の文献においても、笑顔の魅力を眼と口の形状ではなく，眼と口の相対位置とあり、ベストスマイルのアスペクト比の平均は1.60±0.05とありました。ほぼ黄金比です。

　このベストスマイルは黄金比に近い値を示し、また、コミュニケーションによって自然で大きな笑顔を撮影した場合は，アスペクト比の平均も黄金比により近い結果となったとしています*2。

　男女ともに最も魅力的に感じる笑顔の部位は眼である回答が多く、眼に次いで魅力ある部位は口であり，口元，目尻などの眼と口に付随するものに魅力を感じ、眼と口に関する部位が回答総数のおよそ64%を占める結果となっています。

笑顔の魅力は眼と口の形状ではなく，眼と口の相対位置です。これが黄金比に近似した値となっていれば魅力的であると、我々の脳は解釈するようです。

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　一方で「白銀比」とは、英語では「Silver Ratio」と呼ばれる比率です。「白銀比」には2種類あり、そのうちの1つが「大和比」といわれ、数式で表すと、1：√2（近似値1：1.414）となり、こちらの比率は和風のデザインや紙の寸法になどに用いられています。

　法隆寺五重塔や伊勢神宮、ドラえもんやキティちゃんなどのキャラクターの体型にも多いようです。

　その白銀比と日本人など黄色人種モンゴロイドの歯の比率に関する文献ですが、松本歯科大学の矢ヶ崎先生らは、日本成人女性における前歯部配列の理想的な切歯のプロポーションに関する検討（松本歯科大学・矢ヶ崎ら2019/6）*3 の中で、

　日本人の場合、上顎中切歯、側切歯のプロポーションは白銀比が審美的指標となり, また, 一般的に上顎前歯部のプロポーションにおいて理想といわれている黄金比は, 必ずしも美しいスマイルを有する指標とならない、としています。

　これはコーカソイド系欧米人と必ずしも同じ黄金比ではなくても、我々は日本人固有のスマイルの美しさもありえるのではないか、というようにも捉えられますね。

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　特に女性の笑顔や顔立ちについて、メイクの仕方にも触れているあるサイトでは、

「黄金比は、欧米人のようなハッキリとした美人の印象に、対して白銀比はかわいらしい印象を与えます。芸能人の顔立ちを思い浮かべてみるとわかりやすいかもしれません。大人っぽい、カッコいい雰囲気を目指すなら黄金比、かわいらしさを求めるのなら、白銀比を意識してみましょう。」とありました。

　歯科メーカーや著名な歯科医師・歯科技工士の著者の先生方は、先鋭的な海外の情報を日本にダウンロードします。我々歯科側も、その最新の知見や欧米の美しい情報が日本人の個性にマッチングしてるのか、真贋見極める必要性があるでしょう。

　長くはなりましたが、まずは美の普遍的な形態的な基準として、黄金比と白銀比に触れました。顎変形症の手術を行う大学病院や美容整形ではその黄金比に則って、顔面骨格を変える場合もあるでしょう。

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しかし、一般の歯科では顔面骨格を変えることはできませんので、豊かな表情と審美的な口元に対するアプローチが違ってきます。

１）顔の構成パーツである口を整える
（その口の形は歯に裏打ちされ決まるため、形や色など審美的な改善を行う）
２）歯に対するコンプレックスを取り除き、心からの笑顔（デュシェンヌスマイル*1*4）を引き出す

　これらが我々、一般歯科の本懐です。患者のみならず、その関わる方々とのコミュニケーションとQOLに大きく寄与します。

　黄金比や白銀比に則り形態や表情の改善を行い、コンプレックスを取り除くことがマスクを外した時の笑顔に繋がります。

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　それではまず歯と口元のコンプレックスの改善として、実際の矯正治療インビザラインによる改善例を見てみましょう。

この例は50代女性です。

　目立つ部位が反対になっている咬み合わせは「人前で笑えなかった…」とは本人の談ですが、治療を終えた後は「もっと早く治しておけば良かった」と治療を終えた現在、晴々とした笑顔で語ってくださいました。

歯科側も嬉しい、意図した豊かな表情と審美的な口元、そして笑顔です。

　今回のこのインビザラインによる矯正治療でコンプレックスの改善に繋がったことと思います。笑顔を裏打ちする歯も明るく見えますね。

　顔はお載せできないのですが、この方の笑顔は口角から眼裂、また両眼裂の間まで、良いバランスで黄金比に近いものがあると思います。ホワイトニングも行うとなお印象が良いですね。

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おまけのほっこり写真はぬいぐるみとワンコです。

私たちの思いがみなさまの何かにつながれば幸いです。

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