Blog・News講義「在宅治療における歯科医師の役割」その1
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昨年より長崎国際大学の講義を当院で二枠担当させていただいています。
ひとつは「在宅治療における歯科医師の役割」、もうひとつは「在宅治療における歯科衛生士の役割」です。
改めて、歯科という分野は分かりにくいものなのだ、と思わされています。
講義の前の自己紹介で改めて、医療法人名の「長崎玲瓏会(ながさきれいろうかい)」という名についても説明させていただきました。
法人名につけた長崎玲瓏会の「玲瓏」とは音が美しく響いたり、美しく光り輝いたりする様子を表現する言葉です。
ここ長崎県という地で、地域の皆様により良い歯科治療を供給し、伝わり、貢献したいという思いから法人名として名付けてます。
そして今回のこの講義と次回の歯科衛生士の講義も佐世保市歯科医師会が縁で依頼を受けてさせていただいています。
改めて、歯科医師会についても説明します。歯科医師会というのは多くの歯科医師が所属する職域団体(非会員の歯科医師の先生もいます)で、学校や幼稚園・保育所などの歯科健診や特定検診など地域のための公益性のある活動や取り組み、佐世保市や長崎県など行政との話し合いを行う団体です。
また歯科医師会の活動でここ佐世保市は歯科保健に関する条例として「佐世保市歯・口腔健康づくり推進条例」を平成23年に制定しています。これは全国の自治体でも9番目です。
現在の佐世保市の歯科保健に関する活動は長崎県や佐世保市のこれらの条例を拠り所に行われています。
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今回の内容について、歯のことを専門的にはほとんど知らない学生さんがおおくいらっしゃるので、初めに歯や口の仕組み、そしてそれらにまつわる病気、そして介護予防としてのオーラルフレイル、何のために歯や口の健康を維持しなければいけないかということを話しました。
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このスライドの上の段が実際の歯の写真、下の段が歯の模型の写真です。
歯の数は一番後ろの歯である「親知らず」を入れると全部で32本あり、その機能に応じ、それぞれ固有の形態があります。
普通は親知らずを除く28本の歯が生えています。
歯に番号やアルファベットの呼称があることもお話ししました。
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このパノラマX線写真は小中学生の時の一例です。乳歯と永久歯が混在しています。
乳歯の下にはこのように永久歯が歯胚という袋状の構造物に包まれて成長しています。
永久歯はその根っこができていることにより大きく長くなり、乳歯の根を吸収し、乳歯が抜けた後に口の中に生えてきます。
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歯周病とは何かということについても解説します。みなさんも歯肉の状態について見てみましょう。
左が健康な歯肉、右が歯周病で悪くなってしまった歯肉です。
歯肉が腫れているのが分かりますか?
左の歯肉がピンク色で歯と歯の間の歯肉の形が鋭角でシュッと引き締まっており、出血や腫れがありません。
右の写真の歯肉は発赤しており、腫れてふくらんで丸みを帯びています。ブヨブヨと浮腫状を呈しており、ハミガキで触ったり風をかけるだけでも、簡単に出血してしまいます。
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口腔内にできる病気についても触れます。これは前癌病変(ぜんがんびょうへん)といわれる「白板症」です。
前癌病変とは、「がん」になる可能性もある病気のことです。
舌の下は好発部位(なりやすい場所)なので要注意です。
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歯の本数別にみた「何でもかんで食べることができる」人の割合です。
厚生労働省e-ヘルスネットより引用しています。
70歳以上では歯が20本以上ある人の割合に比べて、歯が19本以下だった場合は、「何でもかんで食べることができる」人の割合は男性、女性共に50%以下になってしまいます。
好きなものも食べれなくなるということですね。
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多くのみなさんは「むし歯」で歯を失うと考えていらっしゃるかもしれませんが、
グラフの通り、45歳以上になると歯を喪失した原因は「歯周病」の方が多くなってきます。
余談:「むし歯」が正式な言い方となっています。「虫歯」は昔の言い方です。
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つまり高齢者のお口の中は…
残っている歯の本数は増えている
歯周病の人が増えている
歯を失い続ける人も増えている
何らかの歯科的な問題を抱える人が増えている、ということになります。
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そして、加齢やその他の要因によって「唾液分泌量」が減るとどうなるか。
唾液が減ると口の中が汚れる
•加齢により唾液腺、口の動きの低下
•口の中が汚れやすくなり、口臭やむし歯の原因になる
•舌や頬の感覚が鈍くなり食事がおいしく味わえなくなる
口腔乾燥やドライマウスがこれにあたります。
〜これらのつづきはその2で〜