Blog・News口腔内スキャンiTero5D(アイテロファイブディー)のNIRI(近赤外線)撮影によるむし歯の診査
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前回はインビザラインについて触れましたが、今回は口腔内スキャンiTero5Dのむし歯を診査する機能について書いていきます。
今回のブログ内容の趣意であるiTero5DによるNIRI(近赤外線)撮影によるむし歯の診査はこれから当院のシステムに組み込んでいく予定です。
特にむし歯の予防面で活躍すると大いに期待しています。
写真は当院のスタッフの口腔内・歯列の3Dデータです。
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iTero5Dなど口腔内スキャンは以下の3つのことが可能です。
1)インビザラインなどのアライナー矯正治療の発注
2)補綴(特に歯1本単位のクラウンやブリッジなど)
3)NIRI(近赤外線)によるむし歯の診査
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その中でも3)NIRI(近赤外線)によるむし歯の診査 はiTero 5Dの特徴的なものです。他の口腔内スキャンにはほとんどありません。
先日、スキャンしたスタッフのデータと上の咬翼法X線写真を比べてみます。
一見、隣接面のむし歯はないようですが、、、
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ソフト上でNIRI(近赤外線)の写真をくまなくチェックしてみます。
少し分かりにくいので、右上部分の拡大します。
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なんと!隣接面のむし歯を発見しました!
これには私たちもとても驚きました。
なぜなら、通常の保険診療でも算定される咬翼法というX線写真撮影は隣接面のむし歯を診査するのに、とても適しているスタンダードな方法だからです。
その咬翼法でもむし歯が写り込まなかったのはなぜか?
それは歯の外面の白い部分、エナメル質の厚み(通常は1~2.5mm程度)が歯を横から見て増したため(歯の頭の幅分くらいの厚みになった)、X線写真における不透過性が増して(白さが増して不鮮明になって)、わずかなむし歯の黒ずみが映り込まなかったのものと考えられます。
私たちも臨床をしていれば、未だにむし歯かどうか、判断が難しく、発見が遅れることもあります。しかしこのiTero 5Dを使ってシステムを構築できるのであれば、予防やメインテナンスに役立つことは疑いようがありません。
*iTero 5Dによる隣接面う蝕(りんせつめんうしょく・歯と歯の間のむし歯)の検査は自由診療(自費)によるものではなく、むし歯になりやすいなど、リスクの高い患者さんに必要性に応じて、通常の保険診療の範囲で補助的な診査の一環として行なっております。
*診査方法は口腔内カメラを挿入して患者さんの口の中をインビザライン の光学印象採得・スキャンする方法と同じで、追加のスキャンは必要とせず、一度のスキャン5〜15分程度で終了します。
*スキャンしたデータはインビザライン社のクラウドに保存され、歯の動きや咬耗(咬み合わせによる消耗)なども含めて、何年経っても、経時的変化の状態を比較できます(タイムラプス)。
*スキャンしたデータを外部出力で3Dプリンタ形式で模型にすることもできますので、有償にはなると思いますが、ゆくゆくはお子さまの小さい時の可愛らしい歯並び、矯正前後の歯並びなどの模型提供ができれば素敵なことと考えています。