Blog・News歯内療法(歯の根の中の治療)の勉強会と再治療について(佐世保審美研究会)
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写真は歯の中を写したものです。マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用する歯科ではこのように歯の根の中を見ています。
先週(11月24、25日)の土日は当院において佐世保審美研究会の勉強会を行いました。
毎年、このスタディグループでは講師の先生をお呼びするのですが、(一昨年は北九州の倉富覚先生、昨年は九歯大名誉教授横田誠先生でした。)
今回は広島より日本歯内療法学会専門医の吉岡俊彦先生が講師です。
学会ベースの根拠を持って学術的な説明とレクチャーを私たちにしてくださいました。
今回の内容はある先生方のたっての希望で基本に忠実な、「歯内療法」となりました。
歯科の治療の多くは「痛み」を取り除くことが多いのですが、治療した歯が再び悪くなってはいけません。
しかし現実的には治療した歯が根の先の病気「根尖病変」など化膿性の病気として、むし歯の痛みと違う病気となる場合もあります。
原因菌はむし歯の細菌と同じ場合もあり、根尖病変の原因は歯の中の治療を追及できなくて、
細菌が生き残ってしまったり、周辺の封鎖が不十分であったり、
術野が不潔であったりして、細菌の侵入を許し、難治性の根尖病変となってしまいます。そして再治療に至ってしまいます。
吉岡先生は根拠を持って、これらの機序を説明してくださり、また、我々も診療に対する自信をなお一層深めました。
当院にはマイクロスコープがありますので、今回の実習場所にしてもらい、それらの画像をプロジェクターで映しながら、実習を進めていきます。
スタディグループの先生方の全員がマイクロスコープを完備しているわけではありませんが、イメージがしやすかったことでしょう。
マイクロCTのデータを使った精密な歯の模型の実習や、その他の手技も皆で確認できました。
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なぜ、そこまで追求して治療しなければいけないか?
それは「再治療」を減らさなければ不幸な人が増えるからです。
歯の根である「根管」の再治療は「医原性」と言っても良いでしょう。
不十分な治療を行ったのは誰か?
歯科医師が感染させ、歯科の病気を作っていないか?
不可抗力で歯の中へ細菌の侵入を許してしまう場合もあります。
しかし再治療にならないよう、歯科医療従事者は最大限の努力を行うべきです。
これらの実習では会員ドクターがお互いにどれだけ追求をしているかも分かりますので、緊張もしますね・笑。
写真は最後に撮った記念写真です。
今回の研修会の実習を行うにあたり、協力をしてくださった先生方と
2日間にわたってアシスタントとして手伝ってくれた当院の歯科衛生士、歯科助手スタッフに感謝です。